本日は、夢工場ドキドキパニックについてご紹介しようと思います。
夢工場ドキドキパニックの概要
『夢工場ドキドキパニック』は、1987年7月10日にフジテレビから発売された、ファミリーコンピュータ ディスクシステム用のアクションゲームである。開発は任天堂が行いました。
1987年当時、フジテレビを始めとしたフジサンケイグループは博覧会に類似したイベント「コミュニケーションカーニバル 夢工場’87」を東京と大阪で同時開催し、これと関連した24時間番組『一億人のテレビ夢列島』(1987年)や各種広報番組の放送、バンド夢工場、アイドル夢工場のデビューなど様々なメディアミックス展開を繰り広げました。
本作もその一環のタイアップ商品として開発・発売されたものです。
マリオと夢工場のコラボ!
ゲームの主人公にはイベントのキャラクター「イマジンファミリー」を採用し、当時ファミリーコンピュータの主要ユーザーであった子供達に対するイベント夢工場の周知が図られました。
ゲーム誌では『スーパーマリオブラザーズ』(1985年)開発スタッフによる新作ゲームとして紹介されました。エンディングのスタッフクレジットでは宮本茂、手塚卓志、近藤浩治、田邊賢輔らのあだ名が掲載されています。
パッケージ版にはフジテレビと任天堂のタイアップを象徴する特典として、互いに手を組んだイマジンとマリオのイラストシールが封入されました。さらにイマジン、リーナ、マリオ、ピーチ姫をデザインしたテレホンカードが当たる懸賞も実施されています。
アメリカ合衆国やヨーロッパなど日本国外では、主人公をイマジンファミリーから『スーパーマリオブラザーズ』のキャラクターに変えて『SUPER MARIO BROS. 2』として販売された。
さらに、この変更版は日本国内でも『スーパーマリオUSA』(1992年)の題名で市販されています。
そう、
なんです!
夢工場ドキドキパニックって、どんなゲーム?
夢工場ドキドキパニックは、縦横スクロール方式のアクションゲーム。
先の場面に進んでも画面のスクロールは固定されず、引き返すこともできます。
また、縦スクロールは『ゼルダの伝説』(1986年)と同様の画面切り替えスクロールを採用しています。
ライフ制を採用し、敵または敵の攻撃、トゲや爆風に当たるとプレイヤーキャラクターのライフが減ります。
全てのライフがなくなるか穴に落ちるとミスとなり、残機が全てなくなるとゲームオーバー。
コンティニューによる再開地点は最後にクリアしたチャプターの最初のページからやり直しになり、クリアせずにワープして先に進んでもワープしたチャプターをクリアしていない場合は、ワープする前のチャプターからやり直さなければなりません。
また、このゲームには制限時間や得点の概念はありません。ですので、じっくりと取り組むことができるのも、大きな特徴だと言えるでしょう。
操作できるキャラクターにはイマジン、リーナ、パパ、ママの4人おり、それぞれジャンプ力や物を持ち上げる速さ、物を持っている時の動作など運動能力が異なります。
この4人のいずれかを操作してボスキャラクターのマムーを倒し、さらわれた家族のピキとポキを助け出すことが、このゲームの目的です。
敵やアイテムを持ち上げたり地面に埋まっている野菜を引き抜いて、それらを投げつける動作がこのゲームの特徴。この動作で敵を退治しながら7チャプター全20ページを進んでいきます。
「チャプター」や「ページ」の表現はゲームの舞台が絵本の世界とされていることに由来し、他のゲームではワールドやエリア、ステージなどと呼ばれる区切りに相当します。
1チャプター3ページ構成ですが、絵本の最後の1ページが破られたストーリー設定から第7チャプターは2ページまでとなっています。
なお、『スーパーマリオUSA』とは異なり、チャプター内でのキャラクターの変更はできず、進行状況はキャラクターごと別々になっています。3人目までのエンディングは囚われた妖精を解放する時点で終了となり、4人全員でマムーを倒さなければ真のエンディングは見られません。
ですので、キャラの得手不得手に関係なく、4人を使いこなせるようになっている必要があるのです。
その代わり磁気ディスク媒体を活用したセーブ機能が用意されており、電源を切った後も続きからゲームを再開することが可能です。また、コンティニューの回数に制限はありません。
ヘイホーもキャサリンも、初登場は夢工場!
なお、先述のように、マリオUSAは、この夢工場ドキドキパニックがルーツになっています。
従って、今やマリオファミリーとしておなじみのヘイホーやキャサリンも、実は初登場はマリオシリーズではなく、この夢工場ドキドキパニックということになります。
ヘイホーもキャサリンも、マリオカート8デラックス(追加パック)で登場するなど、今やすっかりおなじみのキャラクターですが、こういう形でデビューしていたことを知ると、少し感慨深いものがありますよね。
夢工場ドキドキパニックの雰囲気…ちょっぴりマリオUSAと違う?
さて、そんな夢工場ドキドキパニックですが、雰囲気を動画で見てみましょう。
基本的には、ファミコン版のマリオUSAと同じ、横スクロールのアクションゲーム。ヘイホーやキャサリンも、しっかり確認できますよね。
こちらプレイヤーキャラは、イマジンファミリーと言うことになっている点が大きな違いですが、ほかに違いを探してみると…実はちょこちょこ違いがあります。
たとえば…
- マリオUSAの「キノコブロック」は、夢工場では「マスク」という不気味な顔に
- トラウマキャラ・カメーンが夢工場は無表情でより怖い
- キャサリンにたまごをぶつけたときの声がリアルな恐竜みたい(これは夢工場がディスクシステムで、音源の違いがあることに起因します)
- チャプター5(ワールド5)のボスが違う
…といったあたりですね。
【まとめ】今だからこそ、あえて「夢工場」を振り返る。
以上となりますが、いかがでしょうか?
夢工場ドキドキパニックは、当時のフジテレビのイベントプロモーションという位置づけではあったのですが、任天堂が開発に絡むことでゲームとして優れたものとなり、マリオとのコラボもあって、その世界観は、見事に今日まで引き継がれています。
一方で、「夢工場」のメンバーや、そのいきさつを、多くの人が知らなかったり、忘れていたりするのも、ちょっぴり寂しかったりします。
今だからこそ、あえて「夢工場」を振り返って、ヘイホーやキャサリンのルーツに、思いを馳せてみませんか…?
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